「オノマトペ」とは何のことかご存じですか?
「オノマトペという言葉は聞いたことあるけど意味は知らない」「何となく分かるけど詳しくは知らない」という人が多いのではないのでしょうか。
そこで今回は、オノマトペの種類や効果をふまえ解説していきます。
オノマトペとは
オノマトペとは、擬音語と擬声語の総称のことです。
・擬音語→物音や人間の声、動物の鳴き声を表す。
・擬態語→物事の状態や様子、動きなどを音声化して表す。
擬音語でしたら、「犬がワンワン鳴く」「友達がクスクス笑う」の「ワンワン」「クスクス」がオノマトペです。実際に聞こえる音を言葉にしたものです。
また、擬態語でしたら「胸がドキドキする」「星がキラキラしている」の「ドキドキ」「クスクス」がオノマトペです。実際には何も聞こえない物事の状態や様子を音声化したものです。
日本はオノマトペの種類が豊富な国であり、皆さんも日常会話をする際に使っているのではないのでしょうか。
オノマトペの語源
オノマトペの語源は、古代ギリシア語の「オノマトポイーア」で、アルファベットで表記すると、onomato(名前)と、piia(作る)を合わせた、onomatopiia(言葉をつくる)となります。
「オノマトポイーア」から、英語では「onomatopoeia(オノマトピア)」フランス語では「onomatopee(オノマトペ)」となり、現在の日本ではフランス語の表現をそのまま使っています。
オノマトペ効果
オノマトペを使うことによって様々な効果があります。
その中でも代表的な効果を3つ紹介していきます。
状態や様子を的確に伝える
オノマトペを使うことによって、物事の状態や様子を的確に伝えることができます。
例えば「笑う」という動作一つにしても、様々な笑い方があります。
・にこにこ笑う。
・にやりと笑う。
・げらげら笑う。
・くすくす笑う。
上記の例文のようにオノマトペを使うことによって、どのように笑っているのか頭の中で想像しやすくなります。
ですので、より具体的に、より的確に「笑う」という動作について伝えることができるでしょう。
難しい表現を簡単に伝える
オノマトペを使うことによって、難しい表現を簡単に伝えることができます。
以下の例文をご覧ください。
・胃がキリキリする。
この例文をオノマトペなしで表現できますか?
おそらく、どのように表現したらよいのか悩むでしょう。
このようにオノマトペを使うことによって、難しく表現しづらいことでも簡単に伝えることができます。
話や文章を短くする
オノマトペを使うと話や文章を簡潔に伝えることができます。
例文を使って解説します。
・試合の開始時間が迫ってきており、不安や恐怖によって心臓が早く強く鼓動している。
長くないですか?
非常に正確に表現されていますが、これでは長く堅苦しい文章になってしまいます。
オノマトペを使うと次のような文になります。
・試合の時間が迫ってきており、ドキドキしている。
「不安や恐怖によって心臓が早く強く鼓動している」は「ドキドキしている」というとても短い文に置き換えることができます。
特に、普段の会話や身近な人へ文章を書く時などに効果的でしょう。
オノマトペ種類
日本はオノマトペの種類が豊富な国であり、膨大な数のオノマトペが存在します。
その中でも代表的なオノマトペを紹介します。
自然の現象
雨の音 | 風の | 火の音 |
しとしと | ヒューヒュー | パチパチ |
ポツポツ | ビュービュー | メラメラ |
ザーザー | ビュンビュン | ボォー |
自然の現象に関する代表的なオノマトペを挙げました。
雨で言うと「しとしと」より「ザーザー」の方が強く降っているということが分かるでしょう。
このように、オノマトペを使うことによって簡単に情景を想像することができます。
動物の鳴き声
犬 | カエル | 猫 |
ワンワン | ケロケロ | ニャオ |
キャンキャン | ゲロゲロ | ニャーン |
バウバウ | ゲコゲコ | シャー |
同じ種類の動物でも様々な鳴き方があるのが特徴です。
また、日本では「ワンワン」英語では「バウワウ」中国語では「ウーウー」など、国によって様々な種類があります。
人の行動
飲む | 食べる | 歩く |
ちびちび | もぐもぐ | テクテク |
ゴクゴク | ガツガツ | とぼとぼ |
ガブガブ | ぼりぼり | すたすた |
オノマトペを使うことによって、どのように行動しているのかイメージしやすくなります。
「ちびちび飲む」や「ガツガツ飲む」など、同じ「飲む」という行動の程度の違いを適切に表現することができます。
人の様子
緊張している様子 | 慌てている様子 | 怒っている様子 |
ハラハラ | バタバタ | むかむか |
ドキドキ | せかせか | いらいら |
文章で伝えることが難しい人の感情や様子を、オノマトペを使うことによって容易に相手に伝えることができます。
オノマトペのデメリット
本記事で説明した通り、オノマトペには様々な効果があります。
しかし、効果的だからと言って、むやみやたらに使うことは良いとは言えません。
オノマトペを効果的に使うために、次のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。
定義があいまいである
オノマトペは、状態や様子を的確に伝える効果、難しいことを簡単に伝える効果があると説明しました。
しかし、定義があいまいですので人によって捉え方が変わってしまい、場合によっては上手く伝わらない恐れがあります。
誰かに話すときや文章を書く際には誤解を生むことが無いように注意が必要です。
幼稚な表現になってしまう
オノマトペを使えば情景を分かりやすく伝えることができますが、使いすぎると幼稚な印象を与えてしまいます。
例えば以下のような例文です。
彼はのんびりと魚釣りをしています。グイっと魚を釣り上げると、ピチピチ跳ねる魚をヌルヌルと持ち上げて嬉しそうににっこりしました。
いかがでしょうか。
情景がイメージしやすく分かりやすい文章ですが、まるで小さい子供が書いたような文章ですよね。
オノマトペはあくまでもニュアンスを伝える言葉ですし、幼稚な印象を与えてしまう文章になってしまう恐れがありますので、論文など改まった文章を書く際には注意したほうが良いでしょう。
まとめ
以上がオノマトペの種類や効果となります。
オノマトペは種類が豊富ですし、大変効果的ですのでぜひ活用してみてください。
本記事でも書いているようにデメリットもありますので、しっかりと注意しながら使うようにしましょう。
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